使える地デジ用テレビブースターの選び方

ブースター選びのポイント(1)~雑音指数(NF)の小さい物を選ぶ~
雑音指数とは、アンテナから入ってきた信号が、どれだけノイズに汚染されているかを表す、指標の事です。
雑音指数は、値が小さければ小さいほど、良い性能だということを表しています。
この雑音指数は、どんなに小さくても、1より小さい値にはなりません。
1に近ければ近い程、性能が良いことを表しています。
メーカーによっては、雑音指数をデシベル[dB]という単位で表している場合もあります。
この場合、0dB 以下にはなりません。0dB に近い程、性能が良いことを表しています。
そのため、ブースターを選ぶ際には、雑音指数(NF)が出来るだけ小さい物を選びましょう。
詳細は、「理論的裏付~雑音指数(NF)とは~」に書いています。
ブースター選びのポイント(2)~利得(Gain)の大きい物を選ぶ~
利得とは、信号を大きくする能力の事です。
利得が大きい程、信号電力を大きくする事ができるため、利得が出来るだけ大きい物を選ぶ事も大切です。
また、利得が大きいことは、アンテナからチューナーやテレビに信号を届けるまでの、システム全体の雑音指数を改善する効果があり、これがとても重要です。
詳細は、「・理論的裏付~雑音指数(NF)と利得(Gain)の関係~」に書いています。
ブースター選びのポイント(3)~定格出力の大きい物を選ぶ~
定格出力とは、ブースターが出力することが出来る電力の最大値の事です。
ブースターは、アンテナが受け取った電力を増幅してテレビへ出力します。
しかし、ブースターの出力信号電力の大きさが定格出力を超えると、非線形歪が発生し、信号を歪ませ、これもブロックノイズに繋がります。
場合によっては、全くテレビが映らなくなってしまいます。
(詳細は、「理論的裏付~非線形歪による影響~」に書いています。ちょっと複雑なので後になるかも)
せっかく利得の大きいブースターで信号電力を大きくしても、定格出力によって映像が乱れたり消えたりしては意味がありません。
通常、ブースターの定格出力は、充分に大きい値になるように作られてはいます。
ですが、対応できない場合があるのです。
それは例えば、「うちはNHKはブロックノイズも無く、綺麗に映るけど、他の局はブロックノイズが出るんだよね~」というようなケースです。
ブースターをアンテナとテレビの間に取り付けると、全てのテレビ局の信号電力が大きくなります。
この例で言えば、既にブロックノイズが無いNHKの信号電力は、充分な大きさがあります。
にも関わらず、ブースターで信号が増幅されてしまうと、定格出力に近づきすぎてしまう場合があるのです。
個別の局の信号を、個別に増幅することはできませんので、こういった状況を回避するためには、定格出力の大きい物を選ぶ必要があるのです。
逆に言えば、どの局もブロックノイズが出ているような状況では、定格出力はあまり気にする必要はありません。
あくまで目安ですが、テレビで表示されるのアンテナレベルで、10レベル以上差がある場合は、特に定格出力が大きいブースターを選択した方が良いでしょう。
それでも映像品質が悪化してしまう局がある場合は、アンテナレベルのバランスが取れるように、アンテナの向きを調節してみて下さい。
それでもダメな場合は、指向性の高いアンテナに変えたり、アンテナを複数用いたり、状況に応じて特殊な対応が必要になります。